インプラント治療とは?〜その仕組みとメリット〜|やまなしでも注目!最先端の治療をインプラントのスペシャリストに聞いてみた!「入れ歯」「ブリッジ」からインプラントの時代へ

歯を失ったとき、まず思い浮かぶのは『入れ歯』や『ブリッジ』ですよね。でも実際に使ったことがある方なら『なんだか違和感があるな』とか『噛みづらいな』って感じたことありませんか?そんなお悩みを解決してくれるのが、今注目の『インプラント』です。昔ながらの方法とはちょっと違う、新しい選択肢として広がってきているインプラントについて、今回は詳しくご紹介していきます。1990年代に世界中で大きく普及してきた歯科用インプラント治療。現在では日本においても標準的な治療法として認知されています。インプラントは見た目も機能も自然な歯に近い治療法として、歯を失った方に再びものを噛めるという喜びを与えました。しかし、その一方でインプラント治療におけるトラブルがあることも事実です。ナシローでは、3回に渡る連載企画で、インプラントと共に健やかな生活を送るために、インプラント治療の基礎と最新情報を紹介していきます。

Q1.歯科インプラント治療とは?

A.インプラント治療は、歯を失った部位を補う治療の一つです。顎の骨にチタンの部品(人工歯根)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。 この治療法の大きな利点は、審美性(見た目)と機能(噛む能力)の両面で自然な歯に近い状態を再現できることです。従来のブリッジや入れ歯と比較して噛み心地が天然の歯に近く、周囲の健康な歯を傷つけることなく、単独で機能し、見た目や発音、咀嚼機能を改善する効果があります。

Q2.歯を失う原因って?

「厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト」より

A.これは2018年に全国2,345の歯科医院で行われた全国抜歯原因調査結果です(円グラフは全年齢、棒グラフは年齢階級別)。歯が失われる原因で最も多かったのが「歯周病」(37%)で、以下「むし歯」(29%)、「破折」(18%)の順でした。このうち「破折」の多くは、無髄歯(神経をとった歯)と考えられます。抜歯原因を年齢階級別にみますと、「歯周病」と「破折」による抜歯は中高年に多く、「むし歯」はどの年齢層でも多くなっています。

Q3.インプラントの仕組みってどうなってるの?

A.インプラントは、3つのパートから構成されています。
❶インプラント体(フィクスチャー)
インプラント体は、顎の骨に埋め込む人工の歯根にあたる部分で、フィクスチャーとも呼ばれます。主にチタンやジルコニアなどの生体親和性の高い素材で作られているため、アレルギー反応を引き起こすリスクが極めて低く、周囲の骨組織と強固に結合する性質があります。この部分がしっかりと骨と結合すること で、後の人工歯の装着が可能になり、しっかり噛む力を取り戻せます。
❷支台部(アバットメント)
支台部(アバットメント)は、骨の中にあるインプラント体と上部の人工歯を接続する中間部分にあたるパーツです。こちらも主にチタンやジルコニアで作られており、強度と生体親和性に優れています。
❸人工歯(上部構造)
人工歯(上部構造)は、アバットメントの上に装着される被せ物の歯のことです。主にセラミック、ジルコニアなどで作られており、噛み合わせなどの機能性、審美性、周りの歯とのバランスなどを考慮しながら、個別に作製します。

Q4.インプラント・入れ歯・ブリッジの違いは?メリットとデメリットが知りたい!

A.<インプラントのメリット・デメリット>
インプラントのメリットは、天然の歯に近い機能と審美性を維持できる点です。天然の歯と同様な噛む力があり、周囲の健康な歯を削る必要なく単独で機能します。見た目も自然な歯に近く、メインテナンスをしっかり行うことで、長期間にわたって機能の維持が可能です。 一方で、デメリットとしては、保険適用外のため治療費用が高額なこと、そして、治療期間も数ヶ月から半年と長く、骨量が不足している場合は追加の処置が必要となることがあるという点です。
<入れ歯のメリット・デメリット>
入れ歯のメリットは、比較的安価かつ短期間で治療を完了できる点です。入れ歯は手術不要で作製でき、広範囲の歯の欠損にも対応可能です。一方、入れ歯は安定性が低いため会話時に喋りにくかったり、噛む力が弱く硬い食べ物を食べるのが難しくなることがあります。また、定期的な調整が必要であったり、不衛生になりやすいため、こまめに口から取り出し洗浄が必要な点もデメリットです。
<ブリッジのメリット・デメリット>
ブリッジは、失った歯の両隣の歯を支えにして人工歯を固定する方法です。ブリッジは、短期間で治療を完了でき、ある程度の機能を実現できます。また入れ歯より噛む力も強く、かつ手術が不要でありながら、保険適用のためインプラントと比べて費用を抑えられる傾向にあるというのもメリットです。一方デメリットとしては、土台の歯にかかる負担が大きいため土台の歯に問題が起きる事が非常に多いです。ブリッジをするために隣接した歯をたくさん削る必要があるのと、ブリッジ周囲の清掃が難しくなるため、土台の歯の虫歯や歯周病のリスクがとても高くなります。土台の歯に問題が生じた場合には、全体の再治療が必要になり、またトラブル時に土台の歯を失う(抜くことになるトラブル)も多く発生します。

Q5.山梨県内で実際にあったトラブルからのインプラント治療例が知りたい!

A.前歯のブリッジ治療の繰り返しのトラブルにより、上顎の前歯3本を失った状態で来院。「もうブリッジにはしたくない」「健康な歯をできるだけ削らず残したい」と希望。向かって右に見える褐色に変色した歯も精密根管治療から行い欠損している部位のインプラントとバランスをとり被せた。術後4年。メンテナンスも通っていただき良好な経過を追えている。

Q6.気になるインプラント患者のアンケート調査

インプラントを埋入してから20年経過した患者様を対象に行なったアンケート調査では、60代、70代、80代のどの年代でも約75〜85%もの方が、「何でも噛める」と回答しています。


インプラントについて、「満足」と回答したのは92.6%、「不満」と回答したのは5%でした。不満と回答した方に理由も伺うと、一番の理由は機能性や歯周トラブルではなく、「費用」という回答です。自費診療なので費用は大きな負担になりますが、治療内容や使用感の点では、患者様のインプラントに対する満足度が全体的に高いことがわかります。

【おわりに】

インプラント治療は、失った歯を補うための選択肢として、多くのメリットを提供します。しっかりとした噛み心地や自然な見た目、そして耐久性に優れていることから、多くの方に選ばれる治療法です。しかし、どの治療法にもメリットとデメリットがありますので、まずはしっかりと理解し、ご自身に合った方法を選ぶことが大切です。次回は、インプラント治療の流れなどついて詳しくお伝えしますので、ぜひご期待ください。

山浦歯科医院 院長 山浦 泰明(本誌インプラント記事提供及び解説者)

INFORMATION

名称山浦歯科医院
住所山梨県甲府市丸の内二丁目33-8
電話番号 055-222-2272
営業時間月火水金土 9:00〜12:00 / 火金 14:00〜18:30 / 月水土 14:00〜17:30
定休日木日祝日休診日:木・日・祝日(祝日週の木曜日は診療致します)
URLhttps://www.yamaura-dc.jp/
Instagramhttps://www.instagram.com/yamaura_dentaloffice/
facebookhttps://www.facebook.com/yamauradentalclinic/

この記事を書いた人

アバター画像
ナシロー運営

開店・閉店情報を随時募集しています!
皆様の身近な開店・閉店情報をお待ちしております。
以下のフォームよりお気軽にメッセージをお寄せください。
やまなしローカルつーしんナシロー投稿ページでは画像の添付も可能です!